投稿日:2015-08-11
飛行機内での体調不良は、非常にやっかいですね。飛行機という空間の中では、地上とは違ってとれる対処法が限られており、すぐに十分な治療ができないケースも少なくありません。できるかぎりの対策をして、リスクを少しでも減らしておきたいところですが、そのためには、起こりうる病気についてきちんと理解することが大切です。ここでは、飛行機内で起こる可能性がある病気をいくつか紹介していきます。
長時間のフライトの際には、「エコノミー症候群」という症状を引き起こすことがあります。長い間同じ姿勢で座っていると、主に下肢が圧迫されます。それが原因となって血栓ができてしまい、エコノミー症候群を発症します。症状が軽いうちは、足がむくんだり少し痛みを感じたりする程度で済みますが、ひどくなると血栓が肺動脈に詰まって失神してしまうこともあるため、きちんと対策をしなければいけません。
エコノミー症候群の対策としては、下肢の血流を良くするためのマッサージが効果的です。また、定期的に席を立って洗面所やトイレに行くなど、足を動かすようにしましょう。そのほか、体内の水分が不足し、血液がドロドロになってしまうと発症のリスクを高めてしまうため、こま目な水分補給を心掛けてください。
フライト中に起こりやすい体調不良には、「航空性中耳炎」も挙げられます。離陸のときに、耳の詰まりや「キーン」という音を感じたことがある方は多いのではないでしょうか?通常は、唾を飲んだり、耳抜きをしたりすることで症状は解消しますが、航空性中耳炎になると、それらをしても違和感が治まらず、激しい痛みや耳の詰まりなどを感じるようになってしまうのです。
航空性中耳炎は、急激な気圧の変化によって起こる症状です。したがって、できるだけ気圧の負荷を避けることが大切ですが、飛行機内のようにやむをえない状況下では、アメをなめたりガムを噛んだりするなどして、たえず唾を飲み込むようにしておくと航空性中耳炎になりづらいと言われています。
飛行機内は空気が非常に乾燥していますが、なぜでしょうか?
実は飛行機には、上空という特殊な環境下でも、機内の温度を一定に保つためにエアコンが設置されています。しかし、このエアコンは稼働する際に結露を発生することがあり、それがエアコンの部品をさびさせてしまいます。それを防ぐために特別な装置で水分を除去しているのですが、この動作が機内を乾燥させる原因となってしまっているのです。
この空気の乾燥は、人によっては体調不良を起こす原因にもなってしまいます。以下で、乾燥によって起こる症状を見ていきましょう。
鼻や喉が乾燥していると、どうしても風邪をひきやすくなってしまいます。アメをなめたり、マスクを着用したりして乾燥から体を守りましょう。
肌が乾燥することで、外部の刺激から守るバリア機能が充分に働かず、肌荒れや痛みが起こるケースもあります。化粧水や乳液などで肌の保湿をしたり、濡れたおしぼりをテーブルに置いたりして乾燥を防ぐと良いでしょう。
せっかくの楽しい旅行も、体調を崩してしまっては満喫することができません。万全な体調で思う存分楽しめるように、コンディションを整え、病気への対策をしっかりとしておくようにしましょう。万が一具合が悪くなってしまったときは、無理に我慢をせず、すぐに客室乗務員にその旨を伝えるようにしてください。できる限りの対策をして、機内で快適に過ごせるようにしましょう。
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